特集:MDGs達成につなげよう! みんなで届ける政府へのメッセージ
(解説編)

貧困問題を解決するために私たちにできることはたくさんあります。日本のミレニアム開発目標(MDGs)や国際協力の政策を考え、自分の意見を政府に届けることも、重要なアクションの一つです。では、「世界の貧困問題を解決するために、MDGs達成に日本がもっと貢献して欲しい」という私たちの声を、政府に届けるにはどうすればよいでしょうか。

現在首相官邸は、2011年度(平成23年度)の各省庁の予算を一律10%削減させる一方、そこで浮いた1兆円余りを振り分ける「元気な日本復活特別枠」を設け、この振り分け先となる政策案を各省庁にコンテスト形式で提出させています。そして、各政策に対する市民の考えも聞くために、パブリック・コメントを受け付けています。各省庁からは合計189件の政策が提出されていますが、この中にMDGs達成への貢献を目的とする政策「MDGsの達成/人間の安全保障の推進(アフリカ支援、保健/教育)」が、外務省から提出されています。

市民に政策への評価が求められているこのような機会は、MDGs達成に向けて日本の貢献をもっと増やしてほしいと考える私たちにとって、とても貴重な機会です。一人でもはじめられる意思表示の1つとして、「貧困問題解決のために立ち上がって、行動する」世界同時アクション「STAND UP TAKE ACTION」の1つのアクションとして、この機会にたくさんの声を政府に届けてみませんか。

外務省による「MDGsの達成/人間の安全保障の推進(アフリカ支援、保健/教育)」の説明と、「動く→動かす」が要点や論点をまとめた「解説編」をよく読んだら、送付の手順にしたがって、パブリック・コメントを送ってください。



【1】対象事業の要点は?
【2】対象事業の論点は?
【3】政府発表資料(政策について)
【4】政府発表資料(パブリック・コメントの結果について)
(参考)より詳しく知りたい方へ
(参考)「元気な日本復活特別枠」パブリック・コメント とは?

【1】対象事業の要点は?

外務省による「MDGsの達成/人間の安全保障の推進(アフリカ支援、保健/教育)」の要点は次の通りです。

1.MDGs達成のための日本の援助を増やす
外務省のODA予算のうち、「ミレニアム開発目標」(MDGs)達成にあてられた予算要求額は741億9500万円。これは、2010年度の797億1400万円に比べて、50億円の減額となっています。

これに加えて、外務省は「元気な日本復活特別枠」にMDGs達成のための予算を251億3700万円、実施体制の強化を目的として要望しています。もしこれが通れば、MDGs達成のためのODAは合計で993億3200万円となり、昨年よりも196億円程度、増えることになります。

2.「アフリカ支援」と「教育・保健支援」を行う
事業の目的・効果として「アフリカの経済成長と安定が、日本経済の成長と資源獲得にとって利益になる」「三大感染症はわが国国民の健康を脅かす恐れのある地球規模の課題」としています。

「アフリカ支援」は、インフラ整備と農業支援を行い(約124億円、要望額の49%)、「教育・保健支援」は、基金拠出を含めた感染症対策や保健システム整備、教育・訓練施設の整備を行います。(約127億円、要望額の51%)

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【2】対象事業の論点は?

このパブリック・コメントの自由記述欄には、事業の「よい点」「悪い点」「その他ご意見」を書くコーナーがあります。外務省による「MDGsの達成/人間の安全保障の推進(アフリカ支援、保健/教育)」の論点をまとめましたので記入の参考にお読みください。より詳しく知りたい方は、「動く→動かす」によるNGOや開発援助関係者向けの資料「2011年度予算『元気な日本復活特別枠』外務省提出『MDGs達成・人間の安全保障の推進』に関するパブリック・コメントを送りましょう」(PDF)をご覧ください。

  • 教育や保健は、人々が尊厳のある暮らしを営む上で不可欠。
  • 、教育や保健は、途上国で格差の少ない、また持続的な成長をする上での基礎になる。
  • HIV/エイズや感染症など、国際的な問題であるにもかかわらず、まだ十分に支援が届いていない課題に関して、日本が貢献することで多くの命が救える。
  • 途上国における教育や保健などの援助は、将来アフリカが世界経済の成長市場となる可能性を広げる。そのため、MDGsに関連する援助は、日本の将来への投資ともいえる。
  • 多くの途上国の中でも、特にアフリカ諸国は特に厳しい現状におかれているところが多いので、アフリカに注目すべき。MDGsの数々の報告書の中でも、その点が指摘されている。一方、南アジアも、貧困が多く残っている地域であり、貧困をなくすための取り組みが国際的に必要である。
  • 相互依存の進む私たちの世界では、地球規模の問題への取り組みに、各国が能力に応じて貢献することが求められる。日本のような先進国は、率先して政策と資金面で貢献しなければ、日本の外交的地位も下がる。国際的に達成に向けた努力が求められているMDGsへの貢献は、日本の外交的地位の確立のためにも不可欠。
  • 「需要・雇用創出効果」で、「日本人専門家600人、ボランティア50人程度が関与することになる」と記述されている。途上国で日本人が汗を流すことは大事なことだが、実際に援助が相手国の発展に真に寄与するには、当事国の人々が主導し、日本人は裏方になることの方が重要。
  • 実行段階で、アフリカでの経済成長を強調し、インフラなどを重点化しすぎて、人々が基本的な教育や保健が受けられない状況への取り組みが後手に回らないよう十分配慮する必要がある。

※ここに挙げられている論点は記入の参考のためのもので、「動く→動かす」の公式見解ではありません。

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【3】政府発表資料(政策について)

▼「MDGsの達成/人間の安全保障の推進(アフリカ支援、保健/教育)」概要>>
http://seisakucontest.kantei.go.jp/project/detail.php?t=1702

▼「MDGsの達成/人間の安全保障の推進(アフリカ支援、保健/教育)」詳細資料>>
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/yosan/23/pdfs/h23_youbou02.pdf

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【4】政府発表資料(パブリック・コメントの結果について)

「元気な日本復活特別枠に関する評価会議」のホームページからの抜粋です。その他の資料を参照したい方はこちらをご覧ください。

▼提出意見数状況>>
全体のコメント件数や府省、分野別のコメント件数が掲載されています。
http://seisakucontest.kantei.go.jp/article/wp-content/uploads/2010/11/PC_kobetsu_2.pdf

▼意見提出者状況>>
どのような業種(農林水産量、教員・教育関係、学生、主婦など)がパブリック・コメントのWEBサイト上で登録を行なったのかが掲載されています。
http://seisakucontest.kantei.go.jp/article/wp-content/uploads/2010/11/PC_kobetsu_4.pdf

▼外務省提出事業への評価分布・主な自由記載意見>>
「MDGsの達成/人間の安全保障の推進(アフリカ支援、保健/教育)」を含む、外務省提出事業への評価や、自由記載意見の抜粋が掲載されています。
http://seisakucontest.kantei.go.jp/article/wp-content/uploads/2010/11/PC_kobetsu_5_17.pdf

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(参考)より詳しく知りたい方へ

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(参考)「元気な日本復活特別枠」パブリック・コメント とは?

政府は、来年度(2011年度)の予算編成に向けて、約1兆円規模の「元気な日本復活特別枠」を設定しました。これは、予算編成に市民の声を反映させるために行われるもので、さまざまな省庁から出された政策に市民から意見をつのる「コンテスト」を行い、資金を配分するというものです。

対象となるのは、さまざまな省庁が提出した189件の政策です。この中で、MDGs達成に関連する政策として「MDGsの達成/人間の安全保障の推進(アフリカ支援、保健/教育)」が外務省から提出されています。

▼「元気な日本復活特別枠」パブリック・コメント 公式ページ>>
http://seisakucontest.kantei.go.jp/

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