私たちのゴール:ミレニアム開発目標(MDGs)

ミレニアム開発目標(MDGs)とは

ミレニアム開発目標(MDGs:Millennium Development Goals)は、先進国と途上国の代表者たちがともに協力しあい、貧困のない世界を実現するためのグローバルな目標です。「極度の貧困」に苦しむ人々の半減などの具体的な数値目標と、2015 年という達成期限を定めた国際的な開発目標です。2000年の国連ミレニアムサミットで採択された「国連ミレニアム宣言」に基づいて、これまで設定されてきたいくつかの開発目標が統合され策定されました。

以前の経済成長と産業政策に焦点をあてた途上国支援は、貧困層の拡大など深刻な影響をおよぼしました。一方ミレニアム開発目標では、人間とその生活を中心に据えた支援に重点が置かれています。またMDGs には、貧困解消のために世界が一丸となって取り組むことを、世界のリーダーたちが人類史上はじめて約束したという大きな意義もあります。


8つの目標

ミレニアム開発目標には、次のような8つの目標が定められています。

目標1 とてつもない貧困と飢えをなくそう
目標2 みんなが小学校に通えるようにしよう
目標3 ジェンダーの平等を進めて女性の地位を向上させよう
目標4 子どもの死亡率を下げよう
目標5 女性が健康な状態で妊娠し、子どもを産めるようにしよう
目標6 HIV/エイズ、マラリア、その他の病気が広がるのを防ごう
目標7 環境の持続可能性を確保しよう
目標8 世界の一員として、先進国「も」責任を果たそう


 そしてそれぞれの目標にはより具体的な目標(ターゲット)があり、合計で21のターゲットと、達成への進捗を図るための60の指標が定められています。例えば目標1(MDG1)のターゲットと指標は次の通りです。

 ターゲット  指標
ターゲット1.A:2015年までに1日1.25ドル未満で生活する人口の割合を1990年の水準の半数に減少させる。  1.1 1日1.25ドル(購買力平価)未満で生活する人口の割合
1.2 貧困ギャップ比率
1.3 国内消費全体のうち、最も貧しい5分の1の人口が占める割合
ターゲット1.B:女性、若者を含むすべての人々に、完全かつ生産的な雇用、そしてディーセント・ワークの提供を実現する。 1.4 就業者1人あたりのGDP成長率
1.5 労働年齢人口に占める就業者の割合
1.6 1日1ドル(購買力平価)未満で生活する就業者の割合
1.7 総就業者に占める自営業者と家族労働者の割合
ターゲット1.C:2015年までに飢餓に苦しむ人口の割合を1990年の水準の半数に減少させる。 1.8 低体重の5歳未満児の割合
1.9 カロリー消費が必要最低限のレベル未満の人口の割合

出典:外務省ウェブサイト「ミレニアム開発目標(MDGs)とは」

ミレニアム開発目標は今

MDGsはこれまで、確かな実績を残してきました。例えば教育分野では、途上国政府が教育への支出を増やして無料化に踏み切ったことなどによって、3300万人の子どもが新たに小学校に通えるようになりました。また、ルワンダやタンザニア、エチオピアなどをはじめアフリカの多くの国々では、政府が予算を医療分野に積極的に使ったり、先進国からの資金援助を活用することで数百万人が医療を受けられることになりました。特に、保健医療従事者を増やしたこと、医療費の個人負担を廃止したことなどによって、乳児死亡率や妊娠・出産時に命を落とす女性の数は大きく減りました。これらは、MDGsという共通の目標の下で、途上国と先進国が協力したからこそ生まれた成果です。

そして期限まで2年を切った現在、MDGsはどこまで来ているのでしょうか。

  ●極度の貧困にあえぐ人々の数は半減しました。
  →しかし、いまだに8億7千万人が飢えに苦しんでいる。
●途上国で小学校に通う子どもの割合が90%に到達しました。
  →しかし、その約4分の1が卒業できない。
●小中高校に通う男女の割合の格差は解消目前です。
  →しかし、例えばサハラ以南アフリカでは小学校に通う女児は男児の77%と、
   国や地域によって大きな差がある。
●5歳未満児死亡率は1990年比で41%減少しました。
  →しかし、目標である3分の2(66%)削減への道は険しい。
●妊産婦死亡率は1990年比で46%減少しました。
  →しかし、目標である4分の3(75%)削減は困難とみられる。
●HIVの新規感染者数は2001年比で21%減少しました。
  →しかし、今も年間250万人がHIVに新たに感染している。

これらのデータは、2013年7月に発表された国連の報告書『国連ミレニアム開発目標報告2013』に掲載されています。こちらからPDFファイルで閲覧することができます。また、MDGsの現状を簡単にまとめた資料は、スタンド・アップ テイク・アクションのウェブサイトのダウンロードページで閲覧が可能です。

このように、MDGsは結果を残してきましたが、目標達成への道のりは非常に厳しいのが現状です。

私たちに残された時間はわずかですが、その間に解決すべき問題は山積しています。しかし、たとえ2015年末までにすべての問題を解決できなくても、その後に続くポストMDGs(ポスト2015年開発枠組み)が少しで有利な位置からスタートできるように、そして少しでも次の世代の負担が減るように、この世代の私たちの責任として、私たちが今できることに取り組む、行動を起こしていくが、一人一人に求められていることなのです。



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