次のゴール:持続可能な開発目標(SDGs)

持続可能な開発目標(SDGs)とは

2015年末に期限を迎える「ミレニアム開発目標」(MDGs)に代わり、2016年1月から施行される新たな国際目標「持続可能な開発目標」(SDGs)。2012年から3年にわたって続けられた策定プロセスは、2015年8月2日、政府間交渉の末にまとめられた合意文書「私たちの世界の変革:持続可能な開発のための2030年アジェンダ」にまとめられました。

  SDGsは、いったいどのようにして決められたのでしょうか?
  SDGsとMDGsは、どこが同じで、どこが違うのでしょうか?
  SDGsのもとで、2030年の世界はどうなるのでしょうか?

以下、疑問にすこしでもおこたえするために、「動く→動かす」として、SDGs、「2030年アジェンダ」について知っていることをまとめてみました。

策定プロセス

どうやってできたの?「持続可能な開発目標」(SDGs)
2000年9月、開発分野における国際社会共通の目標であるミレニアム開発目標(Millennium Development Goals/ MDGs)が採択され、極度の貧困や飢餓の解消等、2015年までに達成すべき8つの目標が掲げられました。
これらの目標は一定の成果を達成できたものの、教育や母子保健は依然として課題が多く、サブサハラ以南アフリカや南アジア等で達成に遅れが出ています。同時にグローバル化が進展する中、国内格差や持続可能な開発の必要性が特に環境分野で主張され、2015年以降の新たな開発課題としてクローズアップされるようになりました。
そこで2012年、国連のパン・ギムン事務総長は「ポスト2015開発アジェンダに関するハイレベルパネル」を設置。インドネシアのユドヨノ大統領やリベリアのサーリーフ大統領、英国のキャメロン首相が共同議長を務め、世界各国の政界・財界・学界から有力者を委員に任命して議論を重ね、2013年5月事務総長報告書がまとめ上げられました。

一方2012年の国連「持続可能な開発」会議(リオ+20)では、人間を中心とした「持続可能な開発」の重要性を踏まえ、持続可能な開発目標(SDGs)を、2015年以降の国連の開発アジェンダと統合する形で制定することが確認され、その策定のための政府間交渉プロセスを始めることとなりました。
これを受けて、2014年7月までの間、「オープン・ワーキング・グループ」(OWG)という枠組みで政府間交渉が持たれ、17のゴール、169のターゲットを持つ「持続可能な開発目標」(SDGs)がまとめられました。また、SDGs実施のための資金面については、「持続可能な開発のための資金に関する政府間専門家委員会」が設置され、同時期に報告書を提出。これらの政府間交渉は、市民社会など、政府以外のセクターにもオープンな形で進められました。

これらハイレベルパネル報告書、OWG報告書、ファイナンス報告書は2014年12月に国連事務総長統合報告書としてまとめられ、これに基づいて、2015年1月から7月までの政府間交渉の末、合意文書として、「私たちの世界の変革:SDGsに関する2030年アジェンダ」が策定されました。

「2030年アジェンダ」は本年9月末に開かれる「国連ポスト2015採択サミット」にて採択され、2016年1月より施行される予定です。


SDGsが一目で分かる A4資料は、こちら!


ポスト2015合意文書「私たちの世界の変革:持続可能な開発のための2030年アジェンダ」へのリンクは下記の文言をクリックしてご覧ください。

・「2030アジェンダ」骨子PDFへのリンク:合意文書のなかみをざっくり知りたい人はこちらをご覧ください!

・「2030アジェンダ」段落要約PDFへのリンク:合意文書の中身を細かく知りたい人はこちらをご覧ください!
※現在、準備中

・「2030アジェンダ」本文全文₍英文₎へのリンク:本文を英語でしっかり読みたい方はこちらをご覧ください!

・「2030アジェンダ」日本語仮訳へのリンク:本文を日本語で読みたい方はこちらをご覧ください!
※現在、準備中

ポスト2015との関わり

「動く→動かす」と「ポスト2015」~2012年からの歩み~
2012年から始まった「ポスト2015」策定作業。世界の市民社会は、このプロセスにどのようにかかわってきたのでしょうか。また、日本の市民社会はどのように取り組んできたのでしょうか。
以下、まとめましたのでお読みください。

1.日本の市民社会は「ポスト2015」にどう関わってきたか
世界の市民社会は、「ポスト2015」の検討が始まったころから、この策定に関する政策提言に関わってきました。「動く→動かす」をはじめとする日本の市民社会も、世界の市民社会と連携して積極的に働きかけを行ってきました。…続きを読む


2.ポスト2015に関する「五か条の提言」とそのインパクト
「動く→動かす」では、2012年にBeyond2015などと連携して日本で行った市民社会コンサルテーションの内容を踏まえ、2013年5月、日本の市民社会としての「ポスト2015」に関するポジションをまとめた「ポスト2015開発枠組みに関する五か条の提言」を発表しました。…続きを読む

3.国内外でSDGsを本当に実現できる仕組みの確立を
2012年から3年間の積み重ねを踏まえ、ポスト2015の合意文書「我々の世界の変革:持続可能な開発のための2030アジェンダ」が発表されました。これが9月の国連総会で採択されました。…続きを読む

ポスト2015に関するNGO・外務省意見交換会

ミレニアム開発目標(MDGs)の期限(2015年末)が近付く中、2016年以降の目標について検討する「ポスト2015」プロセスが本格化しています。特に、「持続可能な開発目標」(SDGs)に関する議論が本格化しています。

日本政府は、SDGsを含む「ポスト2015」の国際的な検討について、かなり力を入れて参加しています。私たち市民社会は、国際的な市民社会との連携とともに、日本政府との対話によって、「ポスト2015」を巡る国際的な議論に、日本の市民社会の意見を反映するべく努力しています。そのため、2012年以降、外務省との間で「ポスト2015に関するNGO・外務省意見交換会」という枠組みを作り、積極的に政府との対話をしてきました。この意見交換会の事務局を、「動く→動かす」が務めています。

意見交換会の議事録は、こちらで公開していますのでご覧ください。

        
 第1回意見交換会(2012年3月9日) 議事録 準備中
 第2回意見交換会(2012年7月17日) 議事録 準備中
 第3回意見交換会(2012年11月14日) 議事録 準備中
 第4回意見交換会(2013年2月18日) 議事録 準備中
 第5回意見交換会(2013年3月18日) 議事録 準備中
 第6回意見交換会(2014年2月20日) 議事録
 第7回意見交換会(2014年4月17日) 議事録
 第8回意見交換会(2014年7月7日) 議事録
 第9回意見交換会(2014年7月29日) 議事録
 第10回意見交換会(2014年11月10日) 議事録
 第11回意見交換会(2015年6月25日) 議事録
 ※開発資金に関するテーマ別意見交換会(2015年6月25日) 議事録
 第12回意見交換会(2015年8月31日) 議事録


※上記は、首席交渉官との間で行う「定期的意見交換会」の議事録です。
 担当課長との間で行う「機動的意見交換会」については、議事録は非公開となっております。