2011年3月11日午後2時46分に発生した「東北地方太平洋沖地震」と、それに引き続く巨大津波は、東北地方の太平洋岸から関東地方、さらにその周囲の地域に巨大な被害をもたらしています。また、この地震を直接の原因とする福島第1・第2原子力発電所の事故も相まって、日本全体が、近代史上まれにみる危機に直面しています。
「動く→動かす」は、この地震と津波に被災したすべての人々に、心からお見舞いを申し上げます。尊い命を落とされたすべての人々に、謹んで哀悼の意を表します。また、危機にある人々の命を救うため、人々のライフラインを確保するため、原子力発電所に安全を回復するために全力で取り組んでいるすべての人々に敬意を表します。
このページでは、国内外での緊急支援経験・実績を生かして被災地での緊急復興支援活動に取り組んでいる加盟団体の情報や、GCAPをはじめとする海外の市民社会から寄せられた多くのメッセージをご紹介します。
20の加盟団体が独自に、また、他団体や自治体とも協力して緊急復興支援活動に取り組んでいます。なお、被災地の情報は刻一刻と変化しています。今後はGoogleドキュメントを中心に情報を更新していきますので、より詳しくはこちらをご覧ください。
(クリックでGoogleドキュメントが開きます)
■東日本大震災に対する「動く→動かす」加盟団体の緊急復興支援活動一覧(概要)
【東京、2011年3月21日】 ネパールの山上からニューヨークの街角まで、世界中すべての地において、貧困の解消のための世界的な市民社会ネットワーク「貧困をなくすためのグローバル・コール」(Global Call to Action against Poverty: GCAP)に参加する全てのメンバーは、日本から届いた地震と津波による破壊のイメージに驚愕し、すべての事実とそれを裏付ける写真、映像の背景にある、人々の織りなすストーリーに共感しています。
私たちは、日本を襲った、人々の心胆を寒からしめる恐るべき災厄に直面している日本の人々と固く連帯します。私たちの思い、そして祈りは、日本にいる私たちの仲間、家族、友人とともにあります。私たちは、愛する者たちを失ったすべての家族に哀悼を、安否を気遣う家族に共感を届けます。私たちは、福島第1原子力発電所から放たれた放射線の被害の可能性を気遣う全ての父親・母親たちと共感します。
実際、私たちは日本で生じた破壊のイメージにたじろがざるを得ません。瓦礫と化した町の真ん中で座り、泣く若い女性、家の屋根の上に鎮座する漁船、破壊された建物から死体を運び出す、マスクをしたレスキュー隊のスタッフたち。一方、80歳の女性とそのお孫さんが崩壊した建物から9日ぶりに救出されたというニュースに、私たちは涙しました。悲しみの中にも希望を感じることができたからです。
「マグニチュード9.0に及ぶ地震と巨大な津波のインパクトが、日本という国家をその根底から揺るがしている」。日本人とその世界中の友人たちは、今回の事態をこのように形容します。私たちは時間をとって、復興を支援するために最も有効な方法は何かについて、情報を共有していかなければなりません。
国際連帯
日本国政府は、この規模の危機を取り扱う上で独特の地位を有していると言えるかもしれません。日本は、1995年の阪神・淡路大震災を乗り越え、その後、ハイチからパキスタンにいたるまで、巨大な災害の救援のために、資金と技術を提供してきました。
しかし、どんな国にも、巨大な自然災害に単独で立ち向かわなければならない必然はありません。現在までに128ヵ国(その中には低開発の状態にある貧困国も数多く含まれています)が、日本への支援の提供を申し入れました 。また、30以上の国際機関が、救援に向けた援助のために、日本政府および地域の非営利組織とともに取り組んでいます。私たちGCAPは、この苦難と危機に世界の国々が共同して取り組んでいる、その姿勢を賞賛します。一方で私たちは、世界中を蝕んでいる貧困と環境の危機に対して、世界の指導者たちがこれだけの意欲を持って日々取り組んでほしい、という願いを持つことを禁じえません。
復興に向けた努力への貢献
緊急人道支援を援助している個人および組織は、地域において専門性を持つ日本の組織を支援することが求められます。物資の寄付は、現場で緊急救援に取り組んでいるグループの、そもそも限界のある資源配分の方法をより歪める可能性があるので、勧められません。資金的支援は、現地の市民社会向けには、ジャパン・プラットフォーム、もしくは、(特活)国際協力NGOセンター(JANIC)が設立した緊急支援基金(English information on the NGO Relief Fund: Here)が行っています。詳細は本声明の末尾を参照してください。
次のステップ
日本は、災害救援と、福島の原子力発電所で生じうるさらなる過酷な事態を防ぐための措置とを同時進行で取り組んでいますが、災害救援から復興へとステージが移行していくにともない、私たちは、日本国政府および世界の指導者たちに、以下のことを検討することを提言したいと思います。
1.完全な透明性と情報アクセスの権利の保障
日本の市民、さらには世界中の人々は、福島の原子力発電所の問題に関連して、安全性および公衆保健に関して、できるだけ早く、正確な情報を得る権利を有しています。私たちは日本国政府に対して、公開しうる情報をできる限り早く完全に公開するよう、あらゆる努力を払うことを求めます 。
2.緊急サービスの適切な供給
日本政府と国際社会は、国際人道法に基づき、生存者たちに対して、早急に水、食料、医療ケア、その他の必須サービスを提供する責任があります 。もちろん、この種の災害においては、実施プロセスにおいて大きな挑戦課題を抱えることは必定なのですが。特に、緊急支援と復興のためのイニシアティブにおいては、高齢者、障害者、言語的・文化的障壁のために孤立する可能性のある外国人、女性、子供など、最も脆弱な立場にある人々を支援するために追加的な努力をしなければなりません。
3.モニタリングとアカウンタビリティ
世界、および地域の市民社会は、国際的な援助と国内的な緊急支援のための資源の分配が、本来対象とする受益者に届いているかどうか、また、プロジェクトが効果的に実施されているかどうかについて監視する必要があります。日本政府と援助機関は、こうしたモニタリングのための努力を十分に支援しなければなりません。
4.災害後の調査
国連は、将来の災害の防止およびそのインパクトの軽減のために、日本における教訓を考慮に入れ、以下の事項についての調査のためのヒアリングを行う必要があります。
・原子力の安全性
・自然災害と気候変動のリンク
連帯をもって
「あなたは一人ではありません」。私たちは、日本の人々、国家、そして政府に対して、こう申し述べたいと思います。死者を埋葬し、生き残った人々を支援している全ての方々へ。私たちは、みなさんと共にいます。オーストラリア、チリ、中国、ハイチ、インド、インドネシア、ニュー・オーリンズ、ニュー・ジーランド、パキスタン、ロシア、スリ・ランカ、トルコ、そしてその他あまたの場所において、母、娘、父、息子、兄弟、姉妹たちは、災害とそれが引き起こす悲劇をみな、経験しています。私たちは、あなた方の国々が被っている苦痛と苦難を共有します。踏みとどまってください。私たちはあなたとともにいます。
<日本の緊急支援のサポート:寄付に関する詳細>
現地で行われている緊急支援をサポートしたい個人および団体のみなさまには、現地の状況に精通している日本の団体を支援することをお勧めします。物資支援は、現地の緊急支援団体の資源配分の可能性を狭めるため、お勧めできません。資金支援は、「ジャパン・プラットフォーム」もしくは、(特活)国際協力NGOセンター(JANIC)が運営する緊急支援基金に対して行うことができます。
ジャパン・プラットフォーム
ジャパン・プラットフォームは、日本のNGO32団体のコンソーシアム、経済界、外務省が連携した国際的な緊急支援団体です。同団体は、2011年3月11日に日本の東北地方で生じた地震および津波に被災した人々への緊急支援を行っています。詳しくはジャパン・プラットフォームのWEBサイトをご覧ください。(English Page)
(特活)国際協力NGOセンター(JANIC)緊急支援まとめて募金
日本のNGOは、2011年3月11日に生じた地震と津波で被災した人々への緊急支援を行っています。日本の市民社会団体のネットワークである(特活)国際協力NGOセンター(JANIC)は、この緊急支援を行うNGOの活動を支援する「まとめて募金」を設置しました。JANICの構成団体であるNGO少なくとも27団体が、この緊急支援に取り組んでいます。JANIC「まとめて募金」は、これらの活動への資金的支援を受け付けています。詳細については、JANIC「緊急支援まとめて募金」のWEBサイトをご覧ください。(English Page)
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南アジアやアフリカ、大洋州の途上国を含めて、多くの国々や国際機関から支援が寄せられていますが、海外の市民社会からも具体的な支援やメッセージが次々と寄せられています。市民社会から寄せられた声をご紹介します。
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